政府は、6月27日、平成28年国民生活基礎調査結果を取りまとめ公表しました。
国民生活基礎調査は、保健、医療、福祉、年金、所得などの国民生活の基礎的事項を調査し、厚生 労働行政の企画、運営に必要な基礎資料を得ることを目的に、昭和61年を初年として3年ごとに大規模な調査を、その間の各年は調査事項と対象世帯の少ない簡易な調査を実施しています。 平成28年は、11回目の大規模な調査の実施年に当たります。
政府は、6月27日、「平成28年国民生活基礎調査結果」をとりまとめ公表しました。今回は、2016(平成28)年の6月、7月に地震で被災した熊本県を除き全国で実施され、世帯状況や健康については約22万世帯、介護については約7千世帯、所得や貯蓄については約2万世帯の調査票を分析しています。
1.高齢者世帯は1327万1千世帯 、全世帯の26.6%と世帯数、割合とも過去最高となりました。1986(昭和61)年には6.3%、2001(平成13)年には14.6%でしたが、急速な高齢化の進展で年々増加しています。
(注)高齢者世帯は、65歳以上の人のみか、65歳以上の人と18歳未満の未婚の人で構成する世帯です。
2.1世帯当たり平均所得金額は545万8千円と増加し(「高齢者世帯」では、308万4千円)、生活意識が「苦しい」とした世帯は56.5%と2年連続で低下しています。
(注)「平成28年調査」の所得は、「平成27年年間所得(平成27年1月1日から12月31日までの1年間の所得)」です。
各種世帯の1世帯当たり平均所得金額の年次推移
世帯の生活意識の年次推移
3.相対的貧困率は、今回調査では15.6%と、前回調査の2012(平成24)年と比べ、0.5ポイント低下しています。ただし、先進国の経済組織であるOECD加盟37カ国平均11.4%(2013年)より高く、日本の経済格差は先進国の中で以前大きい状況です。
(注)「 相対的貧困率」は、全国民に占める貧困腺(等価可処分所得の中央値の半分の水準で、熊本地震の影響で調査ができなかった熊本県を除いた数字です。)に満たない者の割合で、各国の所得格差を表している数字です。格差に関する議論が高まる中、各国で注目を集めている数字です。なお、「等価可処分所得」は、世帯の可処分所得(収入から税金・社会保険料等を除いたいわゆる手取り収入)を世帯人員の平方根で割って調整 した所得)の中央値の半分の額をいいます。
3.同居の主な介護者と要介護者等の組み合わせを年齢階級別にみると、60歳以上同士、65歳以上同士、75歳以上同士の組み合わせにおいて、いずれも上昇傾向となっています。65歳以上同士で介護する「老老介護」の割合が54.7%で、過去最高となっています(本設問は3年に一度実施されています)。