2035年の働き方、再挑戦可能な日本型セーフティネットの構築が重要

厚生労働省が設置した「働き方の未来2035 ~一人ひとりが輝くために」懇談会(座長・金丸恭文フューチャーアーキテクト会長)は、20年後の2035年の働き方について、8月2日報告書をまとめ、塩崎恭久厚生労働大臣に手渡しました。
これを受け、厚生労働省は同日、厚生労働事務次官を本部長とする「働き方の未来2035推進本部」を設置し、20年後を見据えた多様な働き方が可能となるよう、具体的な施策の検討を始めました。

報告書「働き方の未来2035 ~一人ひとりが輝くために」は、有識者などでつくる懇談会が、20年後の2035年に、日本人の働き方がどう変わっているのかを予測し、その変化に合わせた制度、政策のあり方を提言したものです。

報告書

報告書は、AI(人工知能)が今後産業や雇用、働き方など社会全体に大きな影響を及ぼすことになり、専門的な知識を必要とするものの定型的な業務はAIに代替される一方、人間の人間性に基づくような人間にしかできない新しいタイプの仕事が出現してくるはず、と予測しています。
そして、2035年には、個人がより多様な働き方ができ、企業や経営者などとの対等な契約によって、自律的に活動できる社会に大きく変わっている、そして、企業組織自体も変容していき、企業の内と外との境界線が 低くなり、独立して活動する個人も増えるという大きな構造変化が生じる、としています。
こうした変化を見据えて、制度・政策は大きく変わらなくてはいけないとし、①働く人が適切に選択できるための企業情報の開示、②キャリアアップ、キャリアチェンジのための充実した職業教育・職業訓練など幅広いセーフティネットの構築、③働く場所や時間からできるだけ中立的な税制や社会保障制度の改革、などを提言しています。

塩崎恭久厚生労働大臣は、「すぐにできる課題、中長期的な課題に整理して実行に移していきたい」と意欲を示し、報告書を金丸座長から手渡された8月2日に、厚生労働事務次官を本部長とする「働き方の未来2035推進本部」を設置しました。