7月1日、「夏型勤務(ゆうやけ時間活動推進(ゆうかつ))」が
すべての府省庁の国家公務員を対象にはじまりました。
政府は、7月1日から国家公務員を対象に、朝方勤務「ゆう活」を始めました。
「ゆう活の「ゆう」は、夕方の「夕」、友達の「とも」、遊ぶの「遊」などを意味し、明るい時間が長い夏は朝早くから働き始め、夕方を家族などと過ごせるようにして、働き方の見直しにつなげるねらいだそうです。
具体的には、全国で約22万人の職員が7~8月の2ヶ月、勤務時間を1~2時間前倒し、その実行を促すため、午後4時15分以降は会議も原則禁止とし、夜間には職場の早期消灯を促すというものです。
企業も取り組んでほしいと、政府の「働き方・休み方改善ポータルサイト」(http://work-holiday.mhlw.go.jp/)では、「朝型勤務」や「フレックスタイム制」など、「夏の生活スタイル変革」を含む働き方改革に取り組む企業を紹介しています。
例えば、大手商社の伊藤忠商事では、国内の本社、支社、支店勤務の正社員約2,600人を対象に、昨年5月から朝型勤務を始め、月平均の残業時間が10%ほど減る効果をあげています。
同社では、深夜勤務(22:00~5:00)を「禁止」し、20:00~22:00 における勤務を「原則禁止」し、他方、早朝勤務時間(5:00~8:00)は、深夜勤務と同様の割増賃金(一般社員:150%、管理監督者など:125%)を支給し(7:50 以前始業の場合、5:00~8:00 の割増率を8:00~9:00 の時間帯にも適用)、さらに、健康管理の観点から8:00 前始業社員に対し、軽食を無料配布しているそうです。(http://work-holiday.mhlw.go.jp/detail/0401.pdf)
しかし、長時間労働で残業が前提になっている日本の社会の働き方が解消されないと、単に労働時間が長くなるだけということになりかねません。
7月14日、東京の霞が関で働く国家公務員の朝型勤務「ゆう活」の導入初日(7月1日)の状況が発表されました。
それによると、約4万人の中央省庁職員の半分を超える約2万3,000人が定時より1~2時間早く出勤しましたが、定時の午後4時15分か同5時15分に退庁した職員は約65%でした。
また、約4万人のうち、午後8時以降まで残業した職員数は6月24日時点で1万2,000人だったのが、7月1日では5千人でした。
内閣人事局は、「一定の効果が認められるが、定時退庁の割合を高めるには職場の業務改革を進めていく必要がある」としています。
ゆう活が、総理の発言通り、「日本の長時間労働の慣行を変えるきっかけ」にはたしてなるのかどうか、大いに注目されます。