地域に根ざしたビジネス

自分が起こそうとしている事業を、地域が必要としているか検証してください

退職後、自分の住む地域を見直し、その地域に根ざした新しいビジネスを展開するという事例もよく聞かれるようになりました。地域といっても都道府県、市区町村など範囲はさまざまです。また自分が今まで住んでいたエリアなのか、退職後にUターンやIターンなどで移り住む土地なのかといった地域性もあります。

現在、地域おこしの一環としてそれぞれの地域の特色を活かした産業が注目されています。伝統工芸や地場産業などを活かした生産業、観光を軸として展開するレストランや物産販売などの飲食業や小売業など、その地域ならではの特化されたビジネスも広がっています。

地域に根ざすことを目標とする場合、何がその地域で求められているのか、いまその地域で何が展開されようとしているのかを大きな目線から予測し、自分がその中で何をやりたいのか、何ができるのかを判断していくことが大切です。その地域でのビジネスに関する傾向や動向を知りたいときには各地域にある商工会議所や町の商店街組合、自治会などで情報を得ることも有益です。また商工会では創業セミナーなども行われていますから、のぞいてみると意外な収穫があるかもしれません。

同志を募ってマンパワーを持つことも大切です

地域産業振興として中小企業庁などによるジャパンブランドというプロジェクトが進められています。ジャパンブランド育成支援事業に参加する地域の中小企業には、各地域で育まれたものづくりの伝統や技術、技能を尊重する意識と、地域への愛着、誇り、責任感があります。

「地域おこし協力隊」という制度を総務省が2009(平成21)年度から実施しています。おおむね1年以上3年以下の期間、地方自治体の委嘱を受け、地域で生活し、農林漁業の応援、水源保全・監視活動、住民の生活支援などの各種の地域協力活動に従事しながら、当該地域への定住・定着を図っていくことを目的としたもので、2014(平成26)年度では、全国444の自治体で1,511人の隊員が活躍しています。20歳代と30歳代で約8割を占めますが60歳代の隊員もいます。安倍内閣はこの取り組みを評価し、2016(平成28)年度までに3000人にする計画ですので、応募を検討してもいいでしょう。

地域のNPOなどに積極的に参加し活動してみるのも経験になります。それらの団体との情報共有や協力体制により包括的に地域全体を活性化させることも、地域と係わるビジネスを考える上で大事なヒントとなってくることでしょう。その上で自らNPO法人を興してみるのも手段のひとつです。

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