収入より地域との関わり重視。シルバー人材センターでの仕事
高齢期を有意義に、かつ健康で生きがいのある生活を過ごすために、自分が暮らす地域で何らかの形で働き続けたい。そうした希望をもつ高年齢者が会員となり、自分たちで役員を選んで「自主・自立、共働・共助」の理念のもとに運営されているのがシルバー人材センターです。
シルバー人材センターでは、地域の家庭・企業・公共団体などから請負契約又は委任契約により仕事を受注し(仕事の内容によっては、無料職業紹介事業や一般労働者派遣事業により実施)、会員の中から適任者を選んで斡旋します。斡旋を受けた会員は、その仕事を実施し、仕事の内容と就業実績に応じて「配分金」と呼ばれる報酬(全国平均で月8〜10日就業して3〜5万円)を受け取るしくみです。雇用関係ではないので、就業日数や収入の保障はありませんが、各人の希望や能力に応じた働き方ができます。また万一に備えて、民間の損害保険に加入しています。収入は雑所得になるため確定申告が必要です。
インターネットで検索すれば、地元のシルバー人材センターの情報が入手できます。2013(平成25)年度末の社団法人全国シルバー人材センター事業協会加入数は1300団体、会員数は約73万人です。
簡単な仕事から専門知識を必要とする業務まで、仕事の幅は広がっています
シルバー人材センターで斡旋する仕事の内容は多岐にわたっています。比較的簡単な作業や補助的な仕事ばかりでなく、専門的な技能・技術を要する分野の仕事もありますから、長年積み重ねたキャリア、日曜大工やガーデニングなどの趣味的な特技を活かして働くことも可能です。近年、単体の業務だけではなく、包括的に業務を請け負うなど、業務内容の拡大を図るシルバー人材センターも増えています。また、「シニアワークプログラム」という技術講習会、就職相談会によって就業支援をおこなう取組みを行っています。
シルバー人材センターの仕事の特色として、地域密着ということがあげられます。家事サービスや福祉サービスを提供する際の地元の人とのふれあい、公共施設の管理や学習指導を通じた地域貢献の実感など、勤め人時代とはまた違ったところに仕事のやりがいを見出す会員もたくさんいます。