2024年7月の有効求人倍率は1.24倍で前月より0.01ポイント上昇(改善)、完全失業率は2.7%で前月より0.2ポイント上昇(悪化)

2024年7月の有効求人倍率は1.24倍(季節調整値、季節による変動を除いた数字)と前月より0.01ポイント上昇しました。正社員の有効求人倍率は1.00倍(季節調整値)となり、前月と同水準でした。7月の完全失業率は2.7%で前月より0.2ポイント上昇しました。前年同月比でみると、就業者は24ヶ月連続で増加、完全失業者は4ヶ月連続で増加しました(就業者は23万人の増加で6,795万人、完全失業者は5万人の増加で188万人)。

厚生労働省では、公共職業安定所(ハローワーク)における求人、求職、就職の状況をとりまとめ、求人倍率などの指標を作成し、一般職業紹介状況として毎月公表しています。
(7月分)

総務省では、就業状況、失業者、失業率など把握するため、「労働力調査」を毎月実施・公表しています。
(e-stat統計で見る日本より「労働力調査」)

(注)有効求人倍率は、仕事を求めている求職者一人に対し企業から何人の求人があるかを示す、労働市場の基本指標で、完全失業率は、労働力人口に対する完全失業者数で表わされます。両指標とも、各月の数字は、通常、季節による変動要因を除いた季節調整値が使用されます。2つの調査の2024年7月分の状況が両省から8月30日に公表されました。

2024年7月の有効求人倍率(季節調整値)は、前月より0.01ポイント上昇し、1.24倍でした。有効求人(季節調整値)は前月より0.3%減少、有効求職者(同)は0.9%減少しました。また、正社員の有効求人倍率は前月と同水準で、1.00倍となりました。なお、新規求人倍率(季節調整値)は2.22倍となり、前月より0.04ポイント低下しました。

求人、求職及び求人倍率の推移

新規求人数は、内閣府の景気動向指数の先行系列に採用されている唯一の労働統計指標です。景気に先行して変動する先行系列とされているのは、企業は景気がよくなると感じると求人活動を活発化し、景気の陰りを感じると、新たな求人活動を控えるからです。7月の新規求人数(当月に新たに受け付けた求人数、原数値)は前年同月と比較すると1.2%増加しました。前年同月比を産業別にみると、学術研究・専門・技術サービス業(7.4%増)、情報通信業(6.6%増)、医療・福祉(5.1%増)などで増加となり、教育・学習支援業(5.1%減)、製造業(2.9%減)、宿泊業・飲食サービス業(1.6%減)などで減少となりました。

主要産業における対前年同月比の推移

7月の都道府県別の有効求人倍率(季節調整値)をみると、求人受理地別では、最高は東京都の1.84倍、最低は神奈川県の0.93倍、実際の就業地別では、最高は福井県の1.83倍、最低は大阪府の1.03倍となりました。

7月の全国の完全失業率(季節調整値)は、2.7%で前月より0.2ポイント上昇しました。7月は、就業者(働いている者)が6,795万人と前年同月に比べ23万人の増加となり(24ヶ月連続の増加)、完全失業者数は188万人と、前年同月に比べて5万人の増加となりました(4ヵ月連続の増加)。求職理由をみると、「勤め先や事業の都合による離職」が前年同月と同数、「自発的な離職(自己都合)」が7万人増加、「新たに求職」が前年同月と同数でした。

出典:「一般職業紹介状況」(厚生労働省)/「労働力調査結果」(総務省統計局)