2015年の実質賃金0.9%減

厚生労働省が2月8日発表した2015年の毎月勤労統計調査(速報値)によると、物価変動の影響を除いた2015年通年の実質賃金は前年から0.9%減少しました。

実質賃金のマイナスは4年連続となります。名目賃金にあたる現金給与総額(定期給与とボーナス等の特別給与を合計したもの)の2015年月平均は、23万9712円と0.1%増で2年連続のプラスとなりましたが、物価(消費者物価指数)が1.0%上昇と、現金給与総額の伸びを上回ったため、実質賃金の伸びはプラスに転ずることができませんでした。

現金給与総額は、定額給与(所定内給与と所定外給与の総額で、本統計では、「きまって支給する給与」と呼ばれています。)とボーナス等の特別給与からなります。定額給与は5年ぶりにプラスに転じましたが、特別給与が0.8%減となり、足を引っ張りました。

厚労省が同日発表した15年12月の実質賃金も前年同月より0.1%減りました。12月の現金給与総額は0.1%増の54万4993円。基本給にあたる所定内給与(0.7%増)や残業代を示す所定外給与(0.8%増)は堅調だったものの、ボーナスなどの特別給与が0.4%減となったためです。

来年こそ、物価上昇を上回る名目賃金上昇が実現してもらいたいものです。