希望者全員が 65 歳以上まで働ける企業は72.5%
厚生労働省は、10月21日、「平成27年高年齢者の雇用状況」(6月1日現在)の集計結果を公表しました。それによると、希望者全員が65歳以上まで働ける企業は72.5%になるなど、60歳台の雇用は着実に進んでいます。
「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」では、65歳までの安定した雇用を確保するため、全企業に「定年制の廃止」、「定年の引上げ」、「継続雇用制度の導入」の3つのうち、いずれかの措置(高年齢者雇用確保措置)を講じるよう義務付け、毎年6月1日現在での高年齢者の雇用状況を報告するよう、従業員31人以上の全企業に求めています。
今回の集計結果は、常時雇用する労働者が31人以上の企業約15万社(148,991社)の
状況をまとめたものです。
今回の主なポイントは、以下のとおりです。
- 65歳までの安定した雇用を確保するため、企業は「定年制の廃止」や「定年の引上げ」、「継続雇用制度の導入」のいずれかの措置(高年齢者雇用確保措置)を講じるよう義務付けられていますが、これらの措置を実施済みの企業割合は99.2%(対前年差1.1ポイント増加)となっています。実施済みの企業では、「継続雇用制度の導入」が8割(81.7%)と高い割合を示しています(残りは、定年の引上げが15.7%、定年制の廃止が2.6%となっています)。
- 希望者全員が65歳以上まで働ける企業は72.5%と、前年と比べ1.5ポイント増加しています。
- 70歳以上まで働ける企業も、20.1%と前年と比べ1.1ポイント増加しています。
- 60歳定年企業における、過去1年間の定年到達者(350,785人)のうち、継続雇用された人は287,938人(82.1%)、継続雇用を希望しない定年退職者は62,102人(17.7%)、継続雇用を希望したが継続雇用されなかった人は745人(0.2%)と、定年到達者のうち、約8割の者が継続雇用されています。
政府は、雇用確保措置が未実施である企業(0.8%、1,251社)に対して、都道府県労働局、ハローワークによる計画的かつ重点的な個別指導を強力に実施するとともに、生涯現役で働くことのできる企業の普及等に向けた取組を行っていくと強調しています。