第6次地方分権一括法が成立し、地方版ハローワークの設置が自由化されました

自治体の権限拡大や規制緩和など地方分権改革に関連する15本の改正法をまとめた第6次地方分権一括法(地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律)が5月13日、参院本会議で可決、成立しました。

本法成立で、①都道府県や市区町村が自由に「地方版ハローワーク」を設置し、無料職業紹介できるようになり、②都道府県等が国のハローワークを活用する枠組みも創設されました。8月末までに施行されます。

地方公共団体による無料職業紹介所は、平成27年3月末現在、44都道府県4区101市54町7村1組合で実施されていますが、事業計画書を国に提出するなど事務負担が重いと、全国知事会から見直し要望が出されていました。今後、自治体が無料職業紹介事業を行う場合、これまで義務付けられていた国への届け出が廃止され、職業紹介責任者の選任等の規制、事業停止命令等の監督も廃止されることになりました。なお、無料職業紹介を行う自治体に対し、国のハローワークの求人情報・求職情報をオンラインで提供することが明文化されました。

また、雇用対策における国と地方の連携を拡充するため、①雇用対策全般について、都道府県、市町村と都道府県労働局とが一緒に考え、推進し、共通の成果目標の達成を図る都道府県別の「法律上の協定」を締結することで、都道府県知事は、都道府県労働局長に対し、協定の内容全般について、法律上要請することができ、労働局長は合理的な反対理由がある場合を除き、必要な措置を講ずることになりました(都道府県労働局長が知事の要請に従わないときは、知事は厚生労働大臣に申し立てをすることができます)。

今後は、国のハローワークがない地域や、住民に身近な市(区)役所、町村役場内に設置されるとともに、国と地方の連携が強まることで、若者・女性・高齢者・障害者等に手厚い職業紹介、Uターン等移住者の受け入れなど、地域の実情に応じた、求職者サービスと住民の生活支援サービスの総合的取組みの展開が期待されます。