厚生労働省は、毎年推計人口から計算した簡易生命表を公表していますが、5年に1度実施される国勢調査のデータを反映させ、確定版の「完全生命表」を作成しています。3月1日に公表された「第22回完全生命表(概況)」によると、2015年の我が国の平均寿命(0歳の平均余命)は、男性が前回の2010年から1.20年延びて80.75年に、女性が同じく0.69年延びて86.99年となり、いずれも過去最長を更新しました。
今回の生命表は、「日本国内の日本人について、2015年の1年間の死亡状況が今後変化しない。」と仮定したときに、各年齢の人が1年以内に死亡する確率(死亡率)や、ある年齢の人が平均してあと何年生きられるかという期待値(平均余命)などを示したものです。
0歳の平均余命である「平均寿命」は、全ての年齢の死亡状況を集約したものとなっており、各国の保健福祉水準を総合的に示す指標とされています。
日本の生命表として、厚生労働省では、「完全生命表」と「簡易生命表」の2種類を作成・公表しています。「完全生命表」は、国勢調査による人口(確定数)と人口動態統計(確定数)による死亡数、出生数を基に5年に1度作成され、「簡易生命表」は、人口推計による人口と人口動態統計月報年計(概数)による死亡数、出生数を基に毎年作成されています。
死亡率について5年前と比較して、男女ともほとんどの年齢で低下しています。年次推移を見ると、1975年から2015年にかけて、男女とも「0歳から10歳代」「70歳代」で大きく低下しています。衛生状態の向上や医療技術の向上が寄与しているといえるでしょう。
国立社会保障・人口問題研究所発行の「人口統計資料集(2015年)」をみると、男の平均寿命は、香港、オーストラリア、スイスがやや上回っていますが、男女とも、主要先進国より日本が上回っています。わが国の平均寿命は、世界のトップクラスを維持しています。