出生率21年ぶりの高水準

厚生労働省は、4月23日、2015年での日本の合計特殊出生率(1人の女性が一生の間に産む子供の数)が前年より0.04ポイント上昇し、1.46倍になったと発表しました。出生率は、2005年に最低の1.26を記録した後、緩やかな上昇傾向にあり、1994年の1.5倍以来の1.46倍の高水準になりました。
(注)合計特殊出生率は、15~49 歳までの女性の年齢別出生率を合計して算定
されます。

厚生労働省が4月23日に発表した人口動態統計によると、年齢(5歳階級)別にみると、15〜19歳、20〜24歳の女性の出生率は低下していますが、25歳以上の各年齢階級で上昇しており、最も高いのは、30〜34歳となっています。都道府県別にみると、前年と同率の岡山県を除いた全都道府県で上昇しており、沖縄県(1.94)、島根県(1.80)、宮崎県(1.72)、鳥取県(1.69)、 熊本県(1.68)が高く、東京都(1.17)、京都府(1.26)、北海道(1.29)、宮城県(1.31) 、埼玉県(1.34)、神奈川県(1.34)、大阪府(1.34)が低くなっています。

図 合計特殊出生率の年次推移(年齢階級別内訳)
合計特殊出生率の年次推移(年齢階級別内訳)

厚生労働省は、出生率上昇の要因として、近年の景気回復などを背景に、25歳以上の女性の出生率が上昇したこと、晩婚化の進行が緩やかになりつつあることなどを要因に挙げています。但し、政府が目標として掲げる「希望出生率1.8」との差はまだまだ大きく、若い世代の雇用・所得問題を改善し、将来への不安を和らげる対策の強化が求められます。

表 平均初婚年齢に年次推移
初婚の妻の年齢(各歳)別婚姻件数の構成割合