国民一人ひとりに12桁の番号が割り振られる、社会保障と税の共通番号(マイナンバー)制度が、いよいよ10月5日にスタートします。
10月5日に、住民基本台帳に登録されている国民全員に番号が割り振られ、番号が記載されたカードが、各市区町村から簡易書留で各個人宅に郵送されます。
そして、年明けの2016年1月から、税(源泉徴収票や給与支払報告などへの番号記載など)・社会保障(医療保険や年金保険の被保険者資格取得届への番号記載など)・災害対策(大災害発生時に、金融機関が個人番号をもとに預金者への支払が可能)の3分野で番号の利用が始まり、2017年の7月以降は、行政手続きをするときの本人確認をマイナンバーカード1枚でできるようになります。
また、個人がインターネット上に自分専用のページを持つ「マイポータル」も17年から稼動し、国民一人ひとりが、自分の情報がいつ、どのように使われたかを確認できるようになります。
このように大きなメリットが期待されるマイナンバー制度ですが、サイバー攻撃を受け個人情報が流出した最近の事件で、行政機関が管理する国民の個人情報が漏れやすくなるのではないかとの不安が広がっています。
政府は、情報が芋づる式に漏れ出ないように、情報を異なる符号を使って行政機関ごとに保管し、他の機関に情報を求めるときには「情報提供ネットワークシステム」で符号を変換してから照会し、個人情報同士が直接リンクしないような仕組みを導入すると強調しています。
安全衛生の世界では、「フェイルセーフ(fail safe)」という考え方が普及しています。
製品、機械、システムにおいて故障や誤操作によるトラブルが発生することをあらかじめ想定し、起こった際には致命的な事故や損害につながらないよう設計するという考え方です。
これは「装置やシステムは必ず故障する。ユーザは誤操作をするものだ。」ということを大前提にした設計思想です。
マイナンバー制度とそれを使った情報提供ネットワークシステムでも、この考えの徹底が強く望まれます。
マイナンバーの政府HPは、以下のアドレスです。
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/bangoseido/