有効求人倍率、完全失業率とも、好調な水準が続いています。
厚生労働省では、公共職業安定所(ハローワーク)における求人、求職、就職の状況をとりまとめ、求人倍率などの指標を作成し、一般職業紹介状況として毎月公表しています。2015(平成27)年5月分の状況が6月26日に公表されました。
(注)
1.月別の数値は、季節による変動要因を除いた季節調整値である。なお、平成26年12月以前の数値は、平成27年1月分公表時に新季節指数により改訂されている。
2.文中の正社員有効求人倍率は正社員の月間有効求人数をパートタイムを除く常用の月間有効求職者数で除して算出しているが、パートタイムを除く常用の有効求職者には派遣労働者や契約社員を希望する者も含まれるため、厳密な意味での正社員有効求人倍率より低い値となる。
3.文中の産業分類は、平成25年10月改定の「日本標準産業分類」に基づくもの。
全国の公共職業安定所(ハローワーク)で受け付け現在も求人中の有効求人数を、ハローワークでの求職活動を行なっている求職者総数(有効求職者数)で割った有効求人倍率(季節調整値)は、雇用動向を示す重要指標の一つです。平成27年5月では1.19倍と、前月を0.02ポイント上回り、2013年11月以降、1.0倍を上回っています。ただし、正社員だけでみた正社員有効求人倍率は0.75倍(季節調整値)と1倍をかなり下回っています。
5月の新規求人数(当月に新たに受け付けた求人数、原数値)は前年同月と比較すると4.0%減となりました。これを産業別にみると、医療・福祉(6.3%増)、卸売業・小売業(0.9%増)で増加となっていますが、サービス業(他に分類されないもの)(16.8%減)、情報通信業(13.6%減)、建設業(9.7%減)、運輸業・郵便業(6.0%減)、製造業(4.0%減)など多くの産業で減少となりました。新規求人数は、内閣府の景気動向指数の先行系列に採用されている唯一の労働統計指標です。景気に先行して変動する先行系列とされているのは、企業は景気がよくなると感じると求人活動を活発化し、景気の陰りを感じると、新たな求人活動を控えるからです。5月の新規求人の減少が、一時的なことなのか、6月以降の動向が気になるところです。
都道府県別の有効求人倍率(季節調整値)をみると、全国で最高は東京都の1.71倍、最低は埼玉県の0.82倍と、地域間での格差は大きなものとなっています。
全国の完全失業率(季節調整値)も同日総務省統計局から公表されましたが、3.3%と前月と変わらず低い水準が続いています。