政府は9月11日、新たな看板政策「人づくり革命」を議論する「人生100年時代構想会議」(議長=安倍晋三首相)の初会合を開催しました。この会議で、人生 100 年時代を見据えた経済・社会システムを実現するための政策のグランドデザインが検討されます。
リンダ・グラットンとアンドリュー スコットの共著「ライフシフト」が注目されています。過去200年間、人の平均寿命は伸び続けてきましたが、著者は、2007年に主な先進国で生まれたこどもの半数以上が100歳よりも長生きすると予測されるとします(日本では、107歳まで生きる確率が50%と予測)。そして、80歳程度の平均寿命を前提に〈教育〉〈仕事〉〈引退〉の3段階で考えられてきたライフコースを今後は「マルチステージ」の人生と考え直す必要があり、生涯にわたる学びが重要になる、と強調しています。
政府は、こうした超長寿社会において、人々がどのように活力をもって時代を生き抜いていくか、そのための経済・社会システムはどうあるべきなのか。それこそが、「人づくり革命」の根底にある大きなテーマであるとし、こうした社会システムを実現するため、政府が今後4年間に実行していく政策のグランドデザインを、この「人生100年時代構想会議」で検討する、としています。会議は、2017年内に中間報告をまとめ、可能な政策は2018(平成30)年度予算に反映、来年前半に基本構想を策定する予定で、「ライフシフト」の著者で、英ロンドンビジネススクール教授のリンダ・グラットン氏も出席した9月11日の第1回会合で、安倍首相は「スピード感を持って検討を進めてほしい」と強調し、無償化を含む大学教育の機会均等や、「学び直し」教育拡充のための大学改革を検討するよう関係閣僚に指示しました。