梅雨が明けると夏山登山のシーズンです。
中高年の登山ブームと言われて久しく、登山ツアーも数多く開催されています。
登山は、自然を満喫できる健康的なレジャーである一方で、危険と隣合わせでもあります。
警視庁は「平成29年における山岳遭難の概況」を発表しています。
この資料によると、山に入った目的別の内訳は「登山」「山菜・茸採り」「その他」に分けられ、登山の構成比は71.5%です。
2017(平成29)年の山岳遭難は、発生数:2,583件、遭難者:3,111人で、ともに統計の残る1961(昭和36)年以降で最多となっています。遭難者のうち、死者・行方不明者は354人です。
60歳以上に限って見てみると、遭難者は1,588人で、全体の51.0%を占めています。死者・行方不明者は229人で、全体の64.7%を占めています。資料には2013(平成25)年以降の年齢別内訳が掲載されていますが、同様の割合で遭難・死者・行方不明者が発生しています。
60歳以上が山岳で遭難した場合、死亡・行方不明になりやすいといえます。
単独登山者(山菜・茸採りなどの目的も含む)が遭難した場合、19.6%が死亡または行方不明になっていますが、複数登山者が遭難した場合、死亡または行方不明になる割合は7.1%です。
単独行で遭難した場合、事態が深刻化しやすいといえます。
この資料では、
となっており、遭難を防ぐために必要な留意点として、「経験に見合った山を選ぶ」「登山計画を立て、計画書を提出する」「服装、地図、食料、コンパス、通信手段など、装備品は万全にしておく」「状況判断を適切に下す」などを挙げています。
高齢者の登山におけるリスクを認識した上で、十分な準備をして出かけましょう。
いくら準備をしても、自然が相手なので、何が起こるかわかりません。万一遭難してしまった場合に備えて、山岳保険に加入しておくと良いでしょう。